2026.09.15
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繊維リサイクル業界の現状|古着回収・再利用・再資源化が注目される理由
目次
- 繊維リサイクルとは何か
- 繊維リサイクル業界が注目される背景
- 繊維リサイクル業界の現状
- 繊維リサイクルが抱える主な課題
- 世界的にも進む繊維リサイクルへの関心
- 企業・自治体に求められる繊維リサイクルの取り組み
- 繊維リサイクルを進めるうえで重要な「回収後の流れ」
- 古着リサイクル事業が果たす役割
- 繊維リサイクル業界の今後
- 企業・自治体が今から始められること
- 当社の古着リサイクル事業について
- まとめ|繊維リサイクルは、衣類を「ごみ」から「資源」へ変える取り組み
※本投稿記事の一部画像(人物を含む)はAIによって生成されています
衣類やタオル、布製品などの繊維製品は、私たちの生活に欠かせない身近な存在です。
毎日着る服、仕事で使う制服、店舗で販売される衣料品、家庭で使われるタオルや寝具など、繊維製品は生活や事業活動のさまざまな場面で使われています。
一方で、使われなくなった衣類や繊維製品をどう扱うかは、社会全体の大きな課題になっています。
これまで多くの衣類は、不要になった後に廃棄されるか、一部が古着として再利用されるという流れが中心でした。しかし近年は、環境負荷への関心の高まり、SDGsや循環経済への移行、企業・自治体の環境対応強化により、繊維を「ごみ」ではなく「資源」として活用する考え方が広がっています。
その中で注目されているのが、繊維リサイクルです。
繊維リサイクルとは、不要になった衣類や繊維製品を回収し、再利用・再資源化へつなげる取り組みです。古着として再び着用されるものもあれば、海外で再利用されるもの、工業用ウエスの原料になるもの、繊維原料として再資源化されるものもあります。
本記事では、繊維リサイクル業界の現状と課題、今後求められる取り組み、そして古着リサイクル事業が果たす役割について詳しく解説します。

繊維リサイクルとは何か
繊維リサイクルとは、使用済みの衣類や布製品、余剰在庫、回収衣類などを資源として再活用する仕組みです。
一口に繊維リサイクルといっても、その方法は一つではありません。
状態の良い衣類は、古着として国内外で再利用されます。まだ衣料として使えるものは、リユース市場を通じて次の持ち主へ渡ります。一方、衣料としての再利用が難しいものでも、素材や状態によっては、工業用ウエスや反毛原料、再生繊維などへ活用される場合があります。
つまり、繊維リサイクルは「不要な衣類をまとめて処分すること」ではありません。
衣類や繊維製品の状態を確認し、再利用できるものは衣料として活かし、衣料として難しいものは別の用途へ回すことで、できる限り資源として活用する取り組みです。
この考え方は、近年注目されている「循環経済」とも深く関係しています。大量に作り、大量に使い、大量に捨てる一方通行型の流れから、使い終わったものを再び資源として活かす循環型の流れへ転換していくことが、繊維業界にも求められています。

繊維リサイクル業界が注目される背景
繊維リサイクル業界が注目される背景には、衣類の大量消費・大量廃棄があります。
環境省は、ファッション産業について、大量生産・大量消費・大量廃棄により、製造にかかる資源やエネルギー使用の増加、ライフサイクルの短命化などから環境負荷が大きい産業と指摘されるようになっていると説明しています[※1]。
また、環境省は衣類について、適正なリユース・リサイクルのための分別・回収をはじめ、衣類の資源循環システムの構築を通じたサステナブルファッション実現に向けた取り組みを進めているとしています[※2]。
つまり、衣類を「買って、着て、捨てる」だけの流れから、長く使い、回収し、再利用・再資源化する流れへ変えていくことが、社会的な課題になっているのです。
さらに、環境省のサステナブルファッションに関する政策動向では、家庭から廃棄される衣類の量について、2030年度までに2020年度比で25%削減を目指す目標が示されています[※3]。
このような背景から、繊維リサイクルは一部の専門業者だけの取り組みではなく、アパレル企業、リサイクル事業者、自治体、商業施設、学校、消費者までを含む社会全体のテーマになりつつあります。

繊維リサイクル業界の現状
現在の繊維リサイクル業界では、大きく分けて「リユース」「海外再利用」「工業用資材化」「繊維原料化」という流れがあります。
もっとも分かりやすいのは、古着としてのリユースです。状態の良い衣類は、国内の古着市場やリユースショップ、フリマアプリ、寄付、海外中古衣料市場などを通じて、再び衣料として使われます。
一方で、すべての衣類がそのまま再着用できるわけではありません。汚れや破れ、素材、デザイン、季節性、需要の有無によって、衣料としての再流通が難しいものもあります。
その場合、衣類は工業用ウエスの原料として活用されたり、繊維原料として再資源化されたりします。工業用ウエスは、工場や整備現場などで油汚れや水分を拭き取るために使われる清掃資材です。衣料としては使いにくい布でも、用途を変えることで現場資材として活用できる場合があります。
また、近年は
「繊維to繊維リサイクル」
も注目されています。これは、使用済み衣類を再び繊維原料へ戻し、新しい繊維製品の原料として活用する考え方です。
経済産業省は、繊維製品における資源循環システムに関する検討会を設置し、繊維製品の回収・選別・再資源化に関する課題や方向性を整理しています[※4]。
ただし、繊維to繊維リサイクルは技術的・コスト的な課題も多く、すぐにすべての衣類が新しい衣類へ生まれ変わるわけではありません。混紡素材、ボタンやファスナーなどの副資材、染色、劣化、分別の手間などが、再資源化の難しさにつながっています。
そのため現状では、リユース、海外再利用、ウエス原料化、繊維原料化など、複数のルートを組み合わせることが重要です。

繊維リサイクルが抱える主な課題
繊維リサイクル業界には、大きな可能性がある一方で、いくつかの課題もあります。
まず大きな課題は、回収の仕組みです。
衣類は家庭や企業、店舗、自治体、イベントなど、さまざまな場所から発生します。しかし、不要になった衣類をどこに出せばよいのか分からない人も多く、回収ルートが十分に整っていない地域もあります。
回収の入口が分かりにくければ、再利用可能な衣類でも廃棄されてしまいます。繊維リサイクルを進めるには、衣類回収ボックス、自治体回収、店舗回収、イベント回収、企業回収など、参加しやすい回収方法を増やしていくことが重要です。
次に課題となるのが、選別です。
回収された衣類には、状態の良いもの、汚れがあるもの、再利用が難しいもの、素材が混ざったものなど、さまざまなものが含まれます。これらを適切に見極めなければ、リユースにもリサイクルにもつながりにくくなります。
特に古着リサイクルでは、回収量を増やすだけでなく、回収後の状態確認や仕分けが非常に重要です。
また、再資源化の技術面にも課題があります。繊維製品は単一素材ではなく、綿、ポリエステル、ウール、ナイロン、ポリウレタンなどが混ざっていることが多くあります。さらに、ボタン、ファスナー、プリント、縫製糸、芯地なども含まれます。
こうした複雑な構造が、繊維リサイクルを難しくしています。
欧州委員会の「持続可能で循環型の繊維戦略」では、繊維製品のライフサイクル全体を対象に、生産・消費のあり方を変えるための協調的な行動が必要だとされています[※5]。
このように、繊維リサイクルは回収だけで完結するものではなく、設計、製造、販売、使用、回収、選別、再利用、再資源化までを含むサプライチェーン全体の課題なのです。

世界的にも進む繊維リサイクルへの関心
繊維リサイクルは日本だけでなく、世界的にも重要なテーマになっています。
UNEPは、持続可能で循環型の繊維に関する取り組みの中で、循環型ビジネスモデルへの移行、ライフサイクルアプローチ、有害化学物質の排除、過剰生産・過剰消費への対応などを重視しています[※6]。
また、UNEPの繊維バリューチェーンに関するロードマップでは、循環型の繊維セクターへ移行するために、関係者が個別かつ協働して取り組む必要性が示されています[※7]。
EUでも、持続可能で循環型の繊維戦略が示され、修理、回収、選別、繊維リサイクル能力の拡大、繊維to繊維リサイクルの推進などが政策課題として扱われています[※5]。
これらの動きから分かるように、繊維リサイクルは単なる廃棄物対策ではなく、国際的な産業転換のテーマになっています。
日本国内でも、サステナブルファッションや循環経済への関心が高まる中で、企業や自治体が衣類回収・古着リサイクルに取り組む意義はますます大きくなっています。



企業・自治体に求められる繊維リサイクルの取り組み
繊維リサイクルを進めるためには、企業・自治体・団体が回収の入口をつくることが重要です。
たとえば、企業であれば、従業員参加型の衣類回収イベントや、商業施設での回収ボックス設置などが考えられます。
自治体であれば、住民向けの衣類回収、環境イベントでの古着回収、地域施設への回収拠点設置などが有効です。
こうした取り組みは、単に衣類を集めるだけではありません。住民や従業員が、不要になった衣類を「捨てるもの」ではなく「次に活かせる資源」として見るきっかけになります。
消費者庁は、エシカル消費について、商品が届くまでの背景や廃棄された後の影響を考え、課題解決につながる商品やサービスを利用することが次世代へつなぐ役割だと説明しています[※8]。
衣類回収や古着リサイクルは、消費後の行動を変える実践的な取り組みです。企業や自治体が回収の仕組みを整えることで、参加者の環境意識向上にもつながります。
繊維リサイクルを進めるうえで重要な「回収後の流れ」
繊維リサイクルで特に重要なのは、回収後の流れです。
衣類回収イベントや回収ボックスを設置しても、その後の衣類がどう扱われるのかが不明確では、参加者や関係者に安心してもらいにくくなります。
状態の良い衣類は、国内外で再び衣料として活用されます。衣料としての再利用が難しいものでも、素材や状態に応じて工業用ウエス原料として活用できる場合があります。
一方で、濡れ、カビ、強い臭い、著しい汚れ、危険物混入などがある衣類は、再利用・再資源化が難しくなることがあります。
そのため、企業や自治体が衣類回収を行う際は、回収できるもの・できないものを事前に明確にし、回収後の受け入れ先や活用ルートを確認しておくことが大切です。

古着リサイクル事業が果たす役割
繊維リサイクル業界において、古着リサイクル事業者は非常に重要な役割を担っています。
古着リサイクル事業者は、回収された衣類を単に引き取るだけではなく、状態確認、保管、加工、再流通、再資源化へつなげる中継役です。
衣類は、回収しただけでは資源として活用されません。回収後に適切な工程を経て、次の活用先へつなげる必要があります。
イシハラサクセスの古着リサイクル事業では、行政・企業・リサイクルショップなどから回収した古着を再利用・再資源化へつなげ、国内外で活用する循環型リサイクル事業を行っています[※9]。
回収された衣類は三木センターへ集約され、圧縮加工などの工程を経て、再利用可能な衣類は国内外の再流通ルートへ、再利用が難しいものはウエス原料として再資源化されます[※9]。
このように、古着リサイクル事業は、衣類回収とリユース・リサイクル市場をつなぐ役割を担っています。
企業や自治体が衣類回収に取り組む際も、回収後の受け皿となる事業者と連携することで、活動の信頼性が高まります。


繊維リサイクル業界の今後
今後の繊維リサイクル業界では、回収量を増やすだけでなく、回収後の品質管理や用途別活用がますます重要になります。
特に注目されるのは、次の3つの方向性です。
一つ目は、衣類回収の仕組みづくりです。自治体、企業、商業施設、学校、イベントなど、生活や事業活動の中で衣類を回収しやすい場所を増やすことが求められます。
二つ目は、選別・再流通の高度化です。回収された衣類を、状態や素材、需要に応じて適切なルートへ振り分けることで、資源としての価値を最大限に活かせます。
三つ目は、リユースとリサイクルを組み合わせた運用です。すべてを繊維原料へ戻すのではなく、まだ着られるものは衣料として再利用し、衣料として難しいものはウエス原料や繊維原料として活用することが現実的です。
繊維リサイクルは、技術だけでなく、回収の仕組み、消費者の行動、企業の運用、自治体の協力、リサイクル事業者のネットワークが組み合わさって成り立ちます。
その意味で、今後の繊維リサイクル業界では、単独の取り組みではなく、複数の関係者が連携する仕組みづくりが重要になるでしょう。

企業・自治体が今から始められること
繊維リサイクルに取り組みたい企業・自治体は、まず小さな衣類回収から始めることができます。
たとえば、社内で従業員向けに衣類回収を実施する、地域イベントで古着回収コーナーを設ける、商業施設で期間限定の衣類回収ボックスを設置する、自治体施設で住民向けの回収拠点をつくるといった方法があります。
大切なのは、最初から大規模に行うことではなく、回収対象品目、回収場所、回収期間、回収後の流れを明確にすることです。
また、回収後の衣類がどのように再利用・再資源化されるのかを参加者に伝えることで、活動への理解と信頼が高まります。
衣類回収は、SDGs活動、CSR活動、地域循環、環境啓発、廃棄物削減の入口になります。
繊維リサイクル業界の現状を知ることは、単に業界を理解するだけでなく、自社や地域でどのように資源循環へ参加できるかを考えるきっかけにもなります。

当社の古着リサイクル事業について
当社では、行政・企業・リサイクルショップなどから回収した古着を、再利用・再資源化へつなげる古着リサイクル事業を行っています。
回収された衣類は三木センターへ集約され、圧縮加工などの工程を経て、次の活用へとつなげています。
再利用可能な衣類は、国内外の再流通ルートを通じて再び衣料として活用され、必要とされる地域へ届けられます。一方で、衣料としての再利用が難しいものについても、ウエス原料として再資源化することで、無駄なく活用しています。
また、行政・企業・リサイクルショップなど、多様な回収元に対応し、少量から大量まで、スポット回収から定期回収まで柔軟に対応できる体制を整えています。
繊維リサイクルは、回収して終わりではありません。
回収された衣類を、状態や用途に応じて最適な形で循環させることが重要です。当社は、衣類回収とリサイクル市場をつなぐ役割を担い、廃棄物削減と資源循環の両立に貢献しています。
衣類回収・古着リサイクルのご相談はこちら
企業・自治体・団体などで、衣類回収や古着リサイクルの実施をご検討中の方は、下記サービスページをご確認ください。

「衣類回収を始めたいが、何から準備すればよいか分からない」
「回収後の流れまで説明できる事業者に相談したい」
「行政・企業・店舗で発生する衣類を再利用・再資源化へつなげたい」
このような場合は、回収量や品目、回収頻度などに応じてご相談いただけます。
よくある質問
Q. 繊維リサイクルとは何ですか?
繊維リサイクルとは、不要になった衣類や繊維製品を回収し、再利用・再資源化へつなげる取り組みです。古着として再利用されるものもあれば、工業用ウエスや繊維原料として活用されるものもあります。
Q. 古着リサイクルと繊維リサイクルは同じですか?
近い意味で使われることもありますが、厳密には範囲が異なります。古着リサイクルは衣類の回収・再利用を中心とした取り組みで、繊維リサイクルは衣類以外の繊維製品や繊維原料化まで含む広い概念です。
Q. 回収された衣類はすべて再利用されますか?
すべてが衣料として再利用されるわけではありません。状態や素材、需要に応じて、国内外での再流通、ウエス原料化、再資源化などに振り分けられます。
Q. 繊維リサイクル業界の課題は何ですか?
主な課題は、回収ルートの整備、選別の手間、混紡素材の再資源化、再生コスト、回収後の透明性です。回収量を増やすだけでなく、回収後の活用先を明確にすることが重要です。
Q. 企業や自治体でも繊維リサイクルに取り組めますか?
はい。衣類回収イベント、回収ボックス設置、住民向け古着回収など、さまざまな形で取り組めます。回収後の流れまで相談できる事業者と連携すると、運用しやすくなります。
まとめ|繊維リサイクルは、衣類を「ごみ」から「資源」へ変える取り組み
繊維リサイクル業界は、衣類廃棄問題や環境負荷への関心の高まりを背景に、ますます注目されています。
これまで不要になった衣類は、廃棄されるか、一部が古着として再利用される流れが中心でした。しかし現在は、リユース、海外再利用、ウエス原料化、繊維原料化など、複数のルートを組み合わせて資源循環を進める時代になっています。
一方で、繊維リサイクルには、回収、選別、再流通、再資源化、コスト、技術といった課題もあります。だからこそ、企業・自治体・リサイクル事業者・消費者が連携し、衣類を循環させる仕組みをつくることが重要です。
衣類を「捨てるもの」ではなく「次に活かせる資源」として見ること。
その考え方が、これからの繊維リサイクル業界に求められています。
参考文献
[※1]環境省「サステナブルファッション」
[※2]環境省「衣類・ファッションの資源循環」
[※3]環境省「我が国の政策動向|サステナブルファッション」
[※4]経済産業省「繊維製品における資源循環システム検討会 報告書」
[※5]European Commission「EU Strategy for Sustainable and Circular Textiles」
[※6]UNEP「Sustainable and circular textiles」
[※7]UNEP「Sustainability and Circularity in the Textile Value Chain: A Global Roadmap」
[※8]消費者庁「エシカル消費とは」
[※9]有限会社イシハラサクセス「古着リサイクル事業」
会社情報

会社名:有限会社イシハラサクセス
事業内容:リサイクルウエス事業・古着リサイクル事業
本社:〒676-0014
兵庫県高砂市荒井町日之出町7-5
TEL: 079-443-8118 FAX: 079-443-0440
三木センター:〒673-0442
三木市別所町興治342-1
TEL: 0794-88-8727 FAX: 0794-88-8773
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